先月末、2学期中間テストが終わりました。いつものように、塾生たちは、テスト週間は毎日、塾に来てテスト勉強を頑張っていました。しかし、今回のテスト週間を通して、強く感じたことが一つ。
それは生徒の「質問する力がない」ということ。
他人に聞く前に、自分自身に質問する。
これは生徒だけでなく、大人にも言えることですが、他人に聞く前に自分自身に問いかけてみなければなりません。「自分は何がわかっていないのか」「どこまでならわかっているのか」を再確認する必要があります。
たとえば、
「一次関数がわかりません。」
と言われてもどこから教えたらいいのかわからない。
「一次関数っていうのはy=ax+bの式で表して、aのことを傾きとか変化の割合って言う。bは…。」
「いや、そこはわかってます。」
このやり取りが無駄。さらに生徒にとっては「そこはわかってます。」とは言いにくく、「早く自分がわからないところを教えてほしい」というヤキモキした気分になってしまいます。
「傾き、切片、変化の割合などの言葉の意味がわからない。」
「言葉の意味はわかっているが、グラフが書けない。」
「グラフは書けるけれど、交点が求められない。」
など、自分がどこまで理解しているのかを自問自答し、疑問点を絞って質問してくれると迅速に対応でき、理解が深まります。また、疑問点を絞ることで理解しているだろうと思っていたが理解できていなかったという意外な落とし穴が見つかることもあるでしょう。
こう考えると、質問するというのは生徒にとって簡単なことではありません。
しかし、自分で何がわかっていないのかを自問自答して追求することは非常に大切なことです。
塾としてはどんな質問でも対応します。調べたらわかるような安易な質問でも、「どうやって調べればいいのか」「教科書やテキストのどのページを見ればいいのか」など、調べ方を教える場合だってあるのです。
質問して損することはありません。
わからなかった問題や間違った問題を赤ペンで解答を写すのみで終わり、質問することを面倒臭がっている生徒もいます。
また、「ア~エの中から正しいものを選びなさい。」などの問題でも勘で選んだ選択肢が正解だったということもあるでしょう。しかし、これはたまたま正解になったというだけで理解しているわけではありません。「正解したから質問しない」ではダメなんです。
生徒たちに言ったことがあります。
「決められた時間に授業を受けに来てるだけでは損だと思いなさい。塾は使ってなんぼ。塾を上手く利用しなさい。」と。
「いつだったら空いている教室がありますか。」
「授業前に質問しに行ってもいいですか。」
こういうのが塾の使い方が上手いんです。こういうところに毎月払っている授業料以上の価値があると思うんです。
授業研修や保護者面談などで対応できないときがあるかもしれないけれど、代わりの日を見つけるなど、その意気込みは買おうと思います。
そんな堅っ苦しい塾ではないつもりなんだけどな(笑)